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クレブシエラ肺炎
クレブシエラ菌の感染で起こり、重症化しやすい肺炎
クレブシエラ肺炎とは、グラム陰性桿菌(かんきん)のクレブシエラの感染によって引き起こされる肺炎。
グラム陰性桿菌は、 細菌を分類するグラム染色という手法に染まらないグループのうち、細長い形をした菌です。クレブシエラ菌は日本では肺炎桿菌とも呼ばれ、口腔(こうくう)や腸管に生息する常在菌です。
クレブシエラ菌が健康な人に感染して肺炎を起こすことはまれで、通常、重症の疾患で入院している人がかかる院内感染であり、主として抵抗力の低下した患者に起こります。院内では、菌交代症としてみられやすく、誤嚥(ごえん)性肺炎や菌血症に続発した血行性肺炎が多くみられます。市中肺炎としてみられるものは、大量の飲酒習慣がある人や、糖尿病の人、高齢者、ペニシリン系抗生物質服用者に発症します。
クレブシエラ肺炎を起こすと重症化しやすく、突発的に発症し、せき、発熱、呼吸困難などの症状が現れます。膿性(のうせい)のたん、胸痛が現れることもあります。重症化した時は、呼吸困難で唇などが紫色になるチアノーゼや、意識障害がみられ、緊急に治療を開始する必要が生じます。
通常、クレブシエラ菌は呼吸器に感染を引き起こして肺炎、気管支炎として現れるとともに、尿路、腸管にも感染を引き起こして膀胱(ぼうこう)炎、腎盂(じんう)炎として現れ、肺膿瘍(のうよう)、膿胸、および髄膜炎、敗血症へと進行します。
クレブシエラ肺炎の検査と診断と治療
発熱が高く、胸痛、呼吸困難などがあれば肺炎の疑いがあるので、すぐに医療機関を受診します。そこで診察し、X線検査を行い、重症度に応じて入院の是非や専門病院への転送などが判断されます。ただし、呼吸困難、チアノーゼ、意識障害などが認められた場合は重症肺炎の兆候で、進行が速く治療が間に合わないこともあるため、緊急に医療機関を受診します。
医師の診断では、最も有用な検査として胸部X線撮影が行われ、大葉性肺炎で空洞陰影が認められる傾向があります。人間の右肺は上中下3つ、左肺は上下2つの大きな袋である肺葉に分かれていますが、この肺葉全体が侵されのが大葉性肺炎です。肺膿瘍や膿胸の併発も多く認められます。細菌学的検査として、喀(かく)たんの培養や血清中の抗体価の測定も行われます。
治療には、第3世代セファロスポリン系、セフェピム系、カルバペネム系、フルオロキノロン系、ピペラシリンータゾバクタム系、またはアミノ配糖体系の抗生物質が使用されます。ただし、クレブシエラ菌の一部の分離株は複数の抗生物質に対して耐性を示すため、感受性試験が必須です。
誤嚥性肺炎を起こしている場合は、口腔内の清浄が保たれていないことが大きな原因になりますので、歯磨きを励行し、かつ歯肉の化膿性病巣などを歯科で治療してもらうことも必要です。
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