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原発性肺高血圧症

原因不明で、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が高くなった状態

原発性肺高血圧症とは、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が正常よりも高くなった肺高血圧症のうち、原因の特定できないもの。

肺高血圧症のほとんどが心臓や肺の疾患によって起こりますが、原発性肺高血圧症は心臓も肺自体は悪くないのに肺高血圧になります。

この原発性肺高血圧症の症例は、心臓カテーテル法が頻繁に行われるようになってから、初めて見付かるようになりました。心臓カテーテル法は、カテーテルという細い管を末梢(まっしょう)血管から挿入し、心臓や大血管の内圧を測ったり、血液を採取する検査方法です。

原因としては、肺動脈壁が厚くなって内腔(ないくう)が狭くなるため、血液の流れが悪くなったり、肺動脈がけいれん収縮して血液の流れが悪くなるためだと考えられていますが、詳しいメカニズムはまだわかっていません。膠原(こうげん)病、肝臓疾患、HIV感染などに合併して肺高血圧症がみられることがありますが、これらは続発性肺高血圧症と呼ばれて、原発性とは区別されています。

20~30歳代の女性に多い傾向があり、十分な治療がなされないと数年以内に死亡する例が多いなどの特徴があり、厚生労働省の定める特定疾患、通称難病に指定されています。ただ極めてまれな疾患で、発症頻度は人口100万人あたり1~2人とされています。

症状としては、全身への血液の供給が不足する結果、疲労しやすくなったり、運動時の息切れや胸痛が現れます。脳への血流が低下すると、失神することもあります。進行すると、顔色が悪くなったり、唇やつめが紫色になるチアノーゼが現れ、安静にしていても息切れが起こります。

まれに、関節痛や、寒さや精神的緊張が引き金となって、手の先が白色や紫色になって冷感やしびれが出るレイノー現象が現れることもあります。

原発性肺高血圧症の検査と診断と治療

原発性肺高血圧症では、早期に的確な診断を得て十分、かつ適切な治療を受けることが、他の疾患以上に重大な意味を持っています。

医師による診断では、肺高血圧症を起こす可能性のある心臓や肺の疾患がないことを確認しなければなりません。そのために、心電図、胸部X線検査、心臓超音波検査、腹部超音波検査、肺機能検査、肺換気・血流シンチグラムなどを行います。最終的には、右心カテーテル検査を行って肺動脈の血圧を直接測定して診断します。

治療では、肺の毛細血管を拡張させて肺への血流を増やし、なるべく多くの酸素を取り込めるように、酸素吸入療法、一酸化窒素ガス吸入療法のほか、血管拡張療法として塩酸ニカルジピンなどのカルシウム拮抗(きっこう)剤の投与、エポプロステノールナトリウム(フローラン)というプロスタグランディン製剤の投与などが行われます。

経口の血管拡張剤を投与して効果がなければ、同じ血管拡張剤であるプロスタサイクリンを在宅で24時間、持続的に点滴する静注療法が行われます。

そのほか、右心不全の症状がみられた場合は、利尿剤や強心剤の投与、 水分制限および塩分制限が行われます。血液の流れをよくして、血栓を予防するためには、ワーファリンなどの抗凝固剤が使われます。

これらの薬剤を使っても効果がみられず症状が進行した場合は、肺移植、心肺同時移植が考慮されます。

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