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光視症

視線を移動した際に、目の中に光を感じる症状

光視(こうし)症とは、視線を移動した際に、視野の中心に光が走ったように見えたり、視野の一部にキラキラした物が見えたりする症状。多くのケースでは、目の前に蚊など小さい物が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症と同時に発生します。

光視症は飛蚊症と同様に、眼球の内部を満たす硝子体(しょうしたい)の収縮により、硝子体に癒着している網膜が刺激を受けて起こります。その背景には、硝子体の年齢による変化として後部硝子体剥離(はくり)が発生し、眼底で網膜と癒着している現象がみられます。後部硝子体剥離は、60歳代前半に好発します。

網膜と硝子体の間に強い癒着があると、その部位はすぐには、はがれず、目を動かすたびに硝子体が揺れて網膜が引っ張られます。この時、網膜が刺激を受けて実際にはない光を感じるのです。網膜と硝子体の癒着がとれれば、光は見えなくなります。癒着が長く残ると、光視症が数週間から数年間持続することもあります。

そのほかにも、過労や睡眠不足、脳の血管の疾患などが原因で、光視症が起こることもあります。片頭痛を伴う場合は、脳の血管が一時的にけいれんして起こる閃輝(せんき)暗点というものです。若い人に多く、光を感じる症状は数分から数十分で消えるものの、その後に片頭痛、悪心、吐き気が起こってきます。

光視症の主な原因となる後部硝子体剥離は自体は疾患ではなく、硝子体の加齢による変化として起こるのですが、これが引き金となって網膜裂孔や網膜剥離を起こすことがあるので、注意が必要です。

中で最も注意を要するのは、癒着部の網膜が引っ張られた結果、網膜に穴が開いてしまう網膜裂孔で、後部硝子体剥離の6~19パーセントに起こり、しばしば光視症や飛蚊症を自覚します。この網膜裂孔を放置しますと、裂孔から液体状になった硝子体が網膜の後に入り込んで、網膜がはがれる網膜剥離という怖い疾患につながります。

 また、頻度は少ないのですが、後部硝子体剥離に際して、網膜血管が引っ張られることで破れ、血が硝子体の中に流れ出て硝子体出血になることがあります。

光視症の検査と診断と治療

光視症は必ずしも網膜剥離や、網膜裂孔の前兆としての症状ではありませんが、光視症と思われるような症状が数週間以上続くようでしたら、早めに眼科の専門医を受診して、詳細な眼底検査を受け、放置しておいてよいものかどうかを診てもらうことが大切です。

特に60歳前後に突然、光視症を自覚した場合には、なるベく早く眼科医を訪ね、後部硝子体剥離の有無、後部硝子体剥離によって生じる可能性のある疾患、特に網膜裂孔の有無をチェックしてもらうことが大切となります。

光視症は後部硝子体剥離が主な原因となって症状が出ますが、この段階では特別な治療方法はなく、基本的に治療の必要もありません。

後部硝子体剥離の際に網膜裂孔ができた場合に、放置しておくと発症する網膜剥離に対しては、入院、手術しか治療方法がありません。しかし、網膜裂孔だけの時期に発見できますと、外来で行えるレーザー光凝固療法によって網膜剥離を予防することができます。従って、光視症を自覚したら、なるベく早く眼科を受診することが大切で、早いほどよいわけです。

網膜裂孔以外のものでも、早期治療が大切です。例えば、硝子体出血の場合にも、出血の原因を調ベてもらうことによって、原因疾患に応じた適切な治療が受けられます。

何も治療を必要とするような疾患のなかった場合には、光視症をあまり気にせず、眼科で時々チェックしてもらい、今まで通りの生活を続ければよいわけです。後部硝子体剥離による光視症は、硝子体を手術で切除することにより理論上消失しますが、病的ではない症状に対して手術を選択されることはありません。

光視症に対して、ビタミンを含む緑黄色野菜、ルテインを含むホウレンソウやブロッコリーを多く摂取する食生活や、ブルーベリーなどのサプリメントの摂取で対応していく方法もあります。

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