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SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

野外のマダニが媒介する新しいウイルス性感染症

SFTS(Severe fever with thrombocytopenia syndrome)とは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されるSFTSウイルス(SFTSV:Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus)を保有する野外のマダニが媒介して、引き起こされる新しいウイルス性感染症(Viral infectious disease)。重症熱性血小板減少症候群とも呼ばれます。

2013年1月に日本で初めて山口県で確認され、5月現在も西日本を中心に広がっています。

SFTSを媒介するマダニは、フタトゲチマダニやオウシマダニなどのマダニで、固い外皮に覆われた体長3~4ミリと比較的大型の種類。食品などに発生するコナダニや、衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するイエダニとでは種類が異なります。広くアジアやオセアニアに分布し、日本国内でも青森県以南の主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。

このマダニにかまれることで、SFTSは主に感染し、6日から2週間とされる潜伏期間を経て、発症します。

発症すると、発熱や、食欲低下、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛といった消化器症状が現れます。時に、頭痛、筋肉痛や、意識障害、けいれん、昏睡(こんすい)といった神経症状、リンパ節腫脹(しゅちょう)、せきといった呼吸器症状、紫斑(しはん)、下血といった出血症状を起こします。

重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓(じんぞう)の機能が低下したりして死亡することもあります。

致死率は約10〜30パーセントで、感染者の血液、体液を介して、人から人に接触感染することもあるとみられています。

厚生労働省が情報収集を始めた2013年1月以降、5月初旬までの国内での感染者は13人で、うち死亡が確認されたのは8人。8人の内訳は山口県の女性2人、鹿児島県の女性1人と、広島県、愛媛県、長崎県、佐賀県、宮崎県の各男性1人です。

感染者は2005年から2013年に発症しており、発症時期はマダニの活動が活発になる4月中旬から11月下旬の春から晩秋にかけて。

SFTSは、2009年3月から7月中旬にかけて、中国中央部の湖北省および河南省の山岳地域で、原因不明の疾患が集団発生したことで存在が明らかとなり、2011年に原因ウイルスであるSFTSウイルスが確認され、現在は7省で発生が確認されています。アメリカでも2009年、ミズーリ州において2人の発症者が確認されています。

日本の発症者の血液などから検出されたSFTSウイルスは、中国のSFTSウイルスとは遺伝子配列の一部が異なっていることから、以前から国内に広がっていた可能性があるとされます。

マダニにかまれることでかかる感染症には、重症熱性血小板減少症候群のほかにも、日本紅斑(こうはん)熱(Japanese spotted fever)があり、ダニの一種であるツツガムシにかまれることでかかるツツガムシ病(Tsutsugamushi disease)もあるので、山野などに出掛けた後、発熱や消化器症状などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の検査と診断と治療

内科、感染症内科、皮膚科の医師による診断では、血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少、血清電解質異常(低Na血症、低Ca血症)、血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CK上昇)、尿検査異常(タンパク尿、血尿)などの検査所見がみられます。

確定診断には、血液などのサンプルからのSFTSウイルスの分離・同定、RTーPCR(逆転写酵素ーポリメラーゼ連鎖反応法)によるSFTSウイルス遺伝子の検出、急性期および回復期におけるSFTSウイルスに対する血清中IgM(免疫グロブリンM)抗体価、中和抗体価の有意な上昇の確認といったウイルス学的検査が必要であり、現在、国立感染症研究所ウイルス第一部で実施可能です。

なお、発症者がマダニにかまれたことに気が付いていなかったり、刺し口が見付からなかったりする場合も多くあります。

内科、感染症内科、皮膚科の医師による治療では、有効な抗ウイルス薬などの特異的な治療法はないため、対症療法が主体になります。中国では、多数のウイルスに効果を示す抗ウイルス薬のリバビリンが使用されていますが、効果は確認されていません。ブニヤウイルス科のウイルスは酸や熱に弱く、消毒用アルコールなどの一般的な消毒剤や台所用洗剤、紫外線照射などで急速に失活します。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の予防ワクチンはないため、マダニに刺されないことが、唯一の感染予防法です。

ポイントは、レジャーや農作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖(ながそで)、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用すること。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷くこと。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えることです。

万が一マダニにかまれた時は、マダニをつぶしたり、無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処置してもらうことが大切です。マダニの多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、数日から長いもので10日間、吸血します。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた時は、病院で処置してもらって下さい。

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