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異所性骨化

本来は骨形成の起こらない軟部組織に、骨性組織が形成される疾患の総称

異所性骨化とは、本来は骨形成の起こらない軟部組織である筋肉、腱(けん)、靭帯(じんたい)、臓器、関節包に、骨性組織が形成される疾患の総称。異所性骨化症、異所性骨形成、異所的骨形成とも呼ばれます。

軟部組織に石灰が沈着して、骨性組織が形成されメカニズムには、いまだ不明確な部分が多く認められます。一説では、骨の基質中に含まれるサイトカインと呼ばれる化学物質のシグナルによって、軟部組織内に存在する間葉系細胞が骨芽細胞へと分化し、数週かけて骨性組織に成熟していくとしています。

脊椎(せきつい)の靭帯に骨化が生じ、さまざまな症状を示す後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症(黄色靭帯肥厚症)が多くみられ、重要視されます。

このほか、幼少期に発症する進行性骨化性筋炎、外傷後にみられる骨化性筋炎(外傷性骨化性筋炎)、関節周辺の外傷後にみられる異所性骨化、脊髄損傷や頭部外傷後にみられる異所性骨化、人工関節置換術後にみられる関節周辺の異所性骨化などがみられ、問題視されます。

脊椎の靭帯の骨化する後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症では、脊髄圧迫症状が現れ、手指のしびれ、首や肩の痛み、運動障害、歩行障害、排尿障害などがみられます。

骨化性筋炎や関節周辺にみられる異所性骨化では、痛み、局部のはれ、関節可動域の制限、運動障害などの症状が起こります。損傷部位を不用意に強くもむようなマッサージ、痛みがある時点での無理なストレッチといった不適切なケアが、異所性骨化をさらに起こりやすくすることもあります。

脊髄損傷や頭部外傷後にみられる異所性骨化では、発生部位として股(こ)関節が最も多く、膝(しつ)関節、肘(ちゅう)関節、肩関節に発生することもあります。骨化がみられる部位も小さく、特に問題がないこともありますが、骨化が大きくなると痛み、関節のこわばり、関節可動域の制限が生じてきます。リハビリテーションが難しくなるどころか、日常生活にも影響を及ぼします。

骨化性筋炎の受診科は、整形外科です。

異所性骨化の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行い、軟部組織内に発生した骨性組織を確認します。初期は不明瞭ですが、受傷後6週目以降明瞭となり、X線像では単なる石灰沈着と異なり骨梁(こつりょう)が認められます。

整形外科の医師による治療では、関節の可動に問題がなく痛みなどの症状がなければ、治療を行わず経過観察します。関節の機能回復が遅い場合には、理学療法、NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性消炎・鎮痛剤)の服用、時に放射線療法などを行います。骨化のために関節が動かなくなれば、骨化した部分を取り出すために外科手術を行います。

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