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一般用医薬品

一般用医薬品は、一般の人が医師の処方せんなしで購入できる医薬品のこと。薬局、薬店などのカウンター越しに購入するという意味から、OTC薬(Over The Counterdrug)とも呼ばれています。一般薬、大衆薬、市販薬などともいわれています。

一般用医薬品の対象は同じ症状を持つ不特定多数の人であるため、第一に安全性が重視されています。1錠に複数の有効成分が含まれていますが、その有効成分の量は少なめになっているものが多く、医療用医薬品の約3分の1から半分くらいの強さになっています。効き目が緩やかで副作用が起こりにくい代わりに、1つの薬で幅広い症状に対応できるようになっているのが特徴です。

医療用医薬品に比べて効き目が緩やかなため、適切な用法、用量を守れば、安全性の高い医薬品といえるでしょう。患者やその家族が病気の初期の段階や、軽い頭痛や下痢、けがなどの場合に、自覚症状に基づいて自らの判断で購入して使用します。

医療費節減の面からも、一般用医薬品によって患者が自ら治療するセルフメディケーションという考え方が、広がりつつあります。ただし、対象となる疾患は、医療用医薬品に比べて限られています。

最近ではスイッチOTC薬と称して、医療用医薬品でのみ使用が認められていた成分の中で、使用実績があって副作用が比較的少ない成分を一般用医薬品に配合して、売り出すケースが増えています。

しかし、一般医薬品であっても人の体に働いて効能、効果を発揮すると同時に、程度の差はあるものの、副作用や相互作用など何らかのリスクを併せ持っています。このため、薬事法により安全性の面から3つにランク付けされています。一般用医薬品となってからの期間が短いスイッチOTC薬を含み、最も注意が必要な第一類医薬品、2番目に注意が必要な第二類医薬品、最も安全性が高い第三類医薬品の3つです。

第一類医薬品は最も注意が必要な成分を含むもので、以前は医師の処方せんが必要で、一般用医薬品となってからの期間が短いスイッチOTC薬も含まれています。薬剤師による対面販売のみで、インターネットなどでは販売できません。販売者には、購入時に質問されなくても、購入者に書面で薬の情報を必ず提供する義務があります。

第一類医薬品に分類されているのは、胃腸薬、禁煙補助薬、一部の風邪薬、発毛剤、水虫薬、皮膚治療薬、アレルギー用点眼薬、鼻炎用内服薬、抗ウイルス薬、鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬、口内炎用薬、みずむし・たむし用薬、その他の滋養強壮保健薬、その他の泌尿生殖器官及び肛門(こうもん)用薬、その他の女性用薬、殺虫薬など。

第二類医薬品は2番目に注意が必要なもので、薬剤師または薬の販売を許された登録販売者による対面販売のみで、インターネットなどでは販売できません。販売者には、購入時に質問されなくても、適正使用のために購入者に薬の情報をできるだけ提供する努力義務があります。

薬事法改正により2009年6月から薬の販売制度が変わり、自分に合った薬を安心して使用できるように、一般用医薬品がリスクの程度に応じて3つのグループにランク付けされたのに伴い、登録販売者制度が新設されました。

これにより薬剤師以外の専門家として新たに登場した登録販売者というのは、薬の販売に関する資質確認のための都道府県試験に合格し、登録を受けた専門家で、一般用医薬品の約9割を占める第二類医薬品と第三類医薬品について販売したり、相談に乗ったりすることができます。

服用に際して薬剤師の指導が必要な第一類医薬品を除き、これまで薬局、薬店でしか購入できなかったものが、登録販売者がいるスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでも購入できるようになりました。

第二類医薬品は、その副作用などによってまれに入院相当の以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもので、この中で特に注意を要するものを指定第二類医薬品とされ、総合感冒薬、解熱鎮痛薬、水虫薬、痔疾(じしつ)用薬などが相当します。目薬、漢方薬など大半を占める一般用医薬品は、この第二類医薬品に分類されています。

第三類医薬品は最も安全性が高く、副作用や相互作用などに多少注意を要するもので、薬剤師または登録販売者が販売できます。販売者には、購入時に質問がない限り購入者に薬の情報を提供する義務はないため、対面販売である必要はなく、インターネットでの販売や電話などを利用した通信販売ができます。

第三類医薬品に分類されているのは、ビタミン剤、整腸薬、健胃薬、胃腸薬、便秘薬 、消炎・鎮痛の外用薬、目薬・洗眼剤、皮膚保湿剤、傷薬、消毒薬、痔(じ)の薬、口中薬、肥満・コレステロール改善薬、栄養保健薬、避妊薬、小児・幼児・乳児用薬など。

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