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臍ヘルニア

生後間もなくへその緒が取れた後、へそが飛び出してくる状態

臍(さい)ヘルニアとは、生後間もなくへその緒が取れた後に、へそが飛び出してくる状態。乳幼児期特有の疾患で、俗に出べそと呼ばれます。

へその緒(臍帯)が取れた生まれて間もない時期には、まだへその真下の臍輪が完全に閉じていないために、乳児が泣いたり息んだりして腹に圧力が加わった時に、筋肉の透き間から腸管が皮下に飛び出してきて、へそが膨らんだ出べその状態となります。

触れると柔らかく、圧迫するとグジュグジュとした感触で簡単に腹の中にに戻りますが、乳児が再び泣いたり息んだりして腹に圧力が加わると、すぐに元に戻ってしまいます。腸管が腹腔(ふくくう)内に入ったり、出たりする結果です。

臍帯付着部の臍輪の閉鎖不全が、原因です。臍輪の下方には正中(せいちゅう)臍靭帯(じんたい)、外側(がいそく)臍靭帯があり、上方には肝円(かんえん)靭帯があります。特に、臍上部が弱く、出生までに臍輪が閉じられない場合に、臍ヘルニアが発症します。

この臍ヘルニアは、新生児の5~10人に1人、出生体重1000〜1500グラムの未熟児の80パーセント以上にみられるといわれています。生後3カ月ころまで大きくなり、ひどくなる場合は直径が3センチ以上にもなることがあります。しかし、4カ月ころには日1日と急速に小さくなり、ほとんどの臍ヘルニアは左右の腹直筋が発育してくる1〜2年の間に完全に臍輪が閉じて、自然に治ります。

ただし、1~2歳を超えても臍ヘルニアが残っている場合や、ヘルニアは治ったけれども皮膚が緩んでしまって、へそが飛び出したままになっている場合には、手術が必要になることがあります。

臍ヘルニアで痛みがある場合は、大網(だいもう)がヘルニア嚢(のう)に癒着しているためと考えられます。大網とは、胃の下部から垂れて腸の前面を覆う薄い膜で、ヘルニア嚢とは、飛び出してくる腸管を包む腹膜です。乳幼児の臍ヘルニアでは、腸管がヘルニア嚢内に陥入し、腸管血行障害を起こす嵌頓(かんとん)は極めてまれです。

臍ヘルニアの検査と診断と治療

1~2歳を超えても臍ヘルニアが残っている場合や、へそが飛び出したままになっている場合には、小児外科の専門医を受診します。

医師が指で圧迫すると、腸管はグル音という腹腔内に戻る時の音を伴い、簡単に還納できることで、確定診断ができます。

乳幼児期に自然に治る可能性が高いので、まずは手術はせずに外来で経過観察します。腸が腐る危険はまずありませんし、どんなに大きくても皮膚が破裂することもありません。へその形をよくする意味で、絆創膏(ばんそうこう)固定を行う医師もいます。

生後1年以内に、80〜95パーセントは自然に治ります。2歳までに治らなければ、外科的治療を行います。臍輪の穴を閉じるとともに、へそのへこみを人工的に作ります。成人の場合は、臍ヘルニア内に腸管嵌頓が起こる頻度が高いので、発見次第、外科的治療を行います。合併症がなければ、予後は良好です。

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